ペットボトルの素材となるプラスチックは、アルミ箔やガラス瓶、缶詰めの金属缶と比較して、ガスバリア性が劣ることは知られています。これは、樹脂がnmオーダーの穴があるため、水のようなμmオーダーの大きな粒子は遮断できても、ガスや水蒸気といった1nm以下の粒子はどうしても透過してしまうためです。そのため、ペットボトルを幅広い食材に適用するには、どうしてもガスや水蒸気といった小さな粒子を遮断するハイバリアー化が必要となってきます。このハイバリアー化するための方策が、いくつか考えられてきました。そのひとつが、ペットボトルの内面にガスバリアー性の優れた酸化ケイ素を蒸着させることで、そのほかにも結晶炭素をコーティングするといった方法も生み出されてきました。このような研究努力の結果、香りや風味を閉じ込めることに成功し、現在ではワインをはじめ、ペットボトルの応用範囲は一気に広がりをみせています。